老人ホームの費用が払えない?費用を安く抑える方法と対処法を解説
老人ホームで介護を受けるためにかかる費用は、決して安いものではありません。入居時には問題なく費用を支払えていたとしても、その後の経済状況の変化や家庭の事情などにより、費用が払えなくなることもあります。そこで今回は、もし老人ホームの費用が払えなくなった場合の対処法や費用を安く抑える方法について解説します。
目次
老人ホーム入居後に費用が払えなくなるケースがある
老人ホームでかかる費用は安いものではなく、入居時にかかる費用に加えて、介護サービス費用や食事代など毎月支払うべき費用が発生します。しかし、このような毎月支払うべき月額利用料が突然払えなくなってしまうケースが発生することがあります。
基本的に、老人ホームの費用が払えなくなったとしても、即日退去となることはありません。施設によりますが、支払いまで一定の猶予が与えられます。そのため、費用が払えなくなった場合は猶予期間中に何らかの対処が必要です。
支払いが滞るよくある理由
これまで支払いを続けられていたにもかかわらず、支払いが滞ってしまう理由はいくつかあります。例えば、入居者の要介護度が高くなったことにより介護費用の自己負担額が上がってしまった、または他の家族が病気になってしまい収入が減ったなど、要介護者本人や家族の事情が関係してくるケースがよく見られます。
その他にも、介護費用にあてようとしていた自宅などの売却が思うように進まない、不動産や投資で得ていた収入が減少したなどの経済事情も、支払いが滞る理由の1つです。
老人ホームの費用が払えないときの対処法
さまざまな理由により、老人ホームの費用が払えなくなった場合はどのように対処すればよいのでしょうか。支払いができなくなってもすぐに退去とはならないものの、できるだけ早いうちに対処することをおすすめします。
まずは、老人ホームの職員に相談しましょう。支払いの分割や期日延期など対応してもらえることがあります。また、ケアマネジャーに相談をすれば、利用中の老人ホームよりも安価な費用で利用できる別の施設や、他の施設を紹介してもらえる仲介業者「老人ホーム紹介センター」などを紹介してもらえます。
もし利用中の老人ホームより安い費用の施設が見つかった場合は、その施設へ転居するのも対処法の1つです。利用中の老人ホームの初期費用の未償却期間が残っていれば返金されるため、その料金を次の老人ホーム入居の初期費用にあてられます。
年金のみでは生活が苦しい、または家族や親戚などに支援してもらうことも難しい場合は、生活保護の受給という方法もあります。年金受給者であっても、生活に困窮していると判断されれば生活保護の受給が可能です。しかし、生活保護の受給はあくまでも最終手段として考えるべきです。生活保護を申請する前に他の方法も検討しながら、ケアマネジャーなどに対処法を相談しましょう。
軽減・助成金制度で自己負担額を抑える
ケアマネジャーや施設の職員に相談するなど、前述の対処法では費用が払えない問題解決ができない場合は、介護保険サービスの軽減制度や助成制度を利用してみましょう。
特定入所者介護サービス費制度
老人ホームでの生活では、食費や居住費、日用品などにかかる日常生活費は全額自己負担となります。この費用を軽減できるのが、低所得者や利用料が高額になった人が利用できる「特定入所者介護サービス費」という制度です。自己負担を安くできるため、毎月の出費を減らせます。この制度を利用するには、市区町村へ申請した上で「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けて施設に提示します。ただし、すべての介護施設で特定入所者介護サービス費が適用となるわけではない点に注意が必要です。特別養護老人ホームは適用となりますが、有料老人ホームは対象外となるため、利用中の施設が対象になるかどうかは必ず確認しておきましょう。
介護保険の2種類の減免制度
介護保険の減免制度には、介護保険料や介護サービスの利用料金を軽減できる制度もあります。毎月支払う介護保険料の減免には市区町村に申請を行うと、一定の条件を満たせば介護保険料が減額されます。
1カ月、または1年あたりの介護サービスの自己負担額が上限を超えた場合に申請できるのが、「高額介護サービス費」という制度です。こちらも市区町村への申請が必要で、一定の条件に当てはまる人が自己負担額の上限を超えた額を支払っていれば、上限を超えた額の払い戻しを受けられます。
各自治体の助成制度もチェック
各自治体では、独自の介護サービス費用の助成制度を行っています。多くの場合、住民税非課税世帯が対象となっていますが、条件や助成内容は自治体によって異なるので、居住地の自治体に確認しましょう。
費用が安い介護施設の探し方
できるだけ費用が安い介護施設を探すには、いくつかのポイントがあります。最初に、施設の立地条件をチェックしましょう。都心や交通アクセスの良い場所にある施設は、家族が面会しやすいものの地価が高い分料金も高額です。多少交通アクセスが悪くても、地方や最寄り駅から遠い場所、郊外にある施設の方が価格も安く済みます。
また、他の入居者との相部屋である多床室を利用することで、費用を安くすることも可能です。個室にこだわりがないのであれば、多床室を選択することで費用を抑えられます。
在宅介護という手段
現在利用中の老人ホームより安い施設であっても一定の費用はかかります。低料金の老人ホームの費用を支払うのも厳しい状況で、要介護度がそれほど高くはないのであれば、在宅介護を選択するのも1つの手段です。毎月かかっていた費用を大幅に減らし、家族と一緒に生活をしながら自宅で介護サービスを受けたり、デイサービスやショートステイなどの施設を活用したりできます。
まとめ
どんなに経済状況や資産を考慮して老人ホーム入居を決めたとしても、突発的な理由や不測の事態などで費用が払えなくなることは起こりえます。そのような事態に陥ったとしても、いくつかの対処法はあります。老人ホームの費用支払いの対処法や費用を押さえるには、今回ご紹介した方法を参考にしてみてください。
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