グループホームとは? 入居条件や入居費用について解説!
認知症高齢者のみが利用できる介護施設として、グループホームがあります。グループホームは他の介護施設とは異なり、介護サービスを受けるだけではなく他の認知症高齢者の方と共同生活を送る場です。今回は、グループホームの基本情報とともに入居条件、入居費用について解説します。
目次
グループホームとは?
グループホームとは、「認知症対応型共同生活介護」という正式名称を持つ、認知症高齢者を対象とした施設です。グループホームでは家庭的な雰囲気の中、スタッフのサポートを受けながら食事や洗濯、掃除などの家事を行いながら日常生活を過ごし、ケアを受けながら自立した生活を目指します。住み慣れた地域で自宅のような場所で、認知症高齢者が自立した生活を送ることで、認知症の進行を遅らせる目的もあります。
グループホームは1ユニット5~9名の少人数が基本で、すべての入所者に個室が用意されているのが特徴です。1施設あたりのユニット数は原則的に2ユニットであるため、利用できる人数は最高でも1施設18名です。そして、グループホームの居室のタイプは「ユニット型」と「サテライト型」の2種類に分けられます。
※出典:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護」
ユニット型
ユニット型とは、5~9名のユニット単位で生活するタイプのグループホームです。元々、グループホームはこの少人数のユニット型のみでした。大人数の場や新しい環境に適応することが難しい認知症高齢者でも穏やかに生活ができるよう、人数を制限した少人数のユニットが基本となっています。長く暮らしていくにつれて、他の入所者やスタッフと馴染みの関係になり、落ち着いて暮らせるようになるよう工夫されています。
サテライト型
サテライト型とは2014年より新設されたタイプで、一人暮らしに慣れるためのグループホームとして、本体住居とサテライト住居の2種類で構成されています。サテライト住居は本体住居から少し離れた場所のアパートなどを用意しており、従来のユニット単位で生活を送るグループホームと同じケアを受けられるとともに、サテライト住居で一人暮らしが可能です。
入所者の希望に応じて、本体住居で食事を取ったりレクリエーションを楽しんだりすることもできます。共同生活に抵抗がある方、自立して一人暮らしをしたい方の練習に適したタイプです。もしサテライト住居で問題が発生した場合でも、施設のスタッフに駆けつけてもらえるので、安心感も高いでしょう。
グループホームの入居条件
グループホームはすべての要介護者が利用できる施設ではなく、以下に挙げる入居条件に当てはまる方が対象です。
65歳以上の高齢者である
グループホームの年齢条件は、原則的に65歳以上であることです。ただし、65歳未満でもアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症などを発症している若年性認知症の方の場合は、40~64歳で入居が可能です。
認知症の診断書と要支援・要介護認定がある
グループホームは認知症高齢者を対象とした施設なので、医師による認知症の診断書がなければ入居できません。医師の診断がなく、単なる物忘れがひどいだけでは入所できないので注意しましょう。
さらに、要介護認定が必須です。要支援2以上がグループホームの入居条件で、要介護認定を受けていても要支援1の方は利用不可能です。そのため、グループホームを利用するには医師の診断と要介護認定両方が必要です。
しかし、グループホームは自立した生活を目指す施設であるため、要介護度が重く寝たきりや重度の認知症の方は利用できないこともあります。
施設と同じ市区町村に住民票がある
グループホームは地域密着型サービスなので、施設と同じ市区町村に住民票があることが入所条件です。もし住民票がある自治体以外のグループホームを利用したい場合は、その施設が所在する自治体へ住民票を移せば入居条件を満たせます。
しかし、転入後14日以内に介護保険受給資格証明書を異動先の自治体へ提出しなければ、要介護認定が引き継がれず、新たな要介護認定が必要となる点に注意が必要です。また、施設によっては住民票を移してから一定期間の居住実績が求められる場合もあるため、他地域のグループホームへ入居を希望する場合は詳しい入居条件を確認しておきましょう。
共同生活を送るのに支障がない
一人ひとりに個室が与えられるものの、グループホームでの生活は少人数のユニットでの共同生活なので、他の入居者との共同生活に支障がないことも入居条件です。反対に、他人と一緒の生活が苦手な方や他の入居者へ暴力や暴言をふるう方は共同生活に適さないと判断され、入居を断れることもあります。
グループホームの費用
グループホームでかかる費用は施設の場所や居室の広さ、要介護度などによって異なり、入居時には老人ホームと同様に入居一時金がかかる場合もあります。
月額費用は居住費や光熱費、食費などを含めて約12万円が平均です。さらに、要介護度に応じた介護サービス費用がかかります。施設によっては、医療ケアや介護体制を充実させるためにサービス加算として追加費用がかかることもあります。その他にも、理美容代や通院の付き添いなどが必要な場合は別途料金が必要です。
なお、生活保護を受けている方でもグループホームの利用は可能ですが、生活保護法で指定されている施設に限られます。
まとめ
グループホームは、地域密着型の小規模な認知症高齢者向けの介護施設です。落ち着いた環境の中で日常生活を過ごすことで、認知症の進行を抑えてその人らしい生活を送れます。認知症の方が介護を受けられる施設を探しているのであれば、グループホームも検討してみることをおすすめします。