老人ホームはどんな人が入る?8つの種類や5つの入居条件をわかりやすく解説
いざ親族が老人ホームに入居するとなった場合、「老人ホームごとにどのような特長があるのか」「どのような条件があるのか」について、気になる人も多いでしょう。
今回は、老人ホームにはどのような人が入るのか疑問を持っている人のために、老人ホームの種類や入居条件・入居基準について詳しく解説します。
目次
老人ホームの種類
老人ホームには主に8つの種類があります。
それぞれの施設の入居者の受け入れ条件や年齢制限、サービスの違いはあるのかなどを具体的に紹介していきます。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、24時間常時介護を受けられる体制が整った有料老人ホームを指します。
一日のほとんどが寝たきりの状態となる要介護5の方や認知症の方、看取りにも対応しています。入居者には、60歳以上などの年齢制限があります。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、常時介護が必要な状態ではないが、その時々で必要なサービスを受けたい人に利用しやすい施設。基本的に要介護度1~2(場合によっては3~5も)の方向けの施設です。
食事の提供や入浴補助などの生活支援サービスを受けられるため、日常の家事からは開放されます。こちらも入居者には、60歳以上などの年齢制限があります。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、要介護度が自立や要支援といった軽度な人でも利用できる、賃貸住宅形態の施設です。バリアフリー完備の施設が多く、入居後の安否確認や生活相談サービスなども充実しています。
こちらも入居の際には、60歳以上などの年齢制限があります。
軽費老人ホーム(ケアハウス)
軽費老人ホーム(ケアハウス)は、一人暮らしに不安を抱えているが、入居のコストはできる限り抑えたいという人にぴったりの施設です。
介護型の軽費老人ホームでは、食事や入浴、トイレといった介護サービスを受けることも可能です。入居者の年齢は、60歳以上となっています。
グループホーム
グループホームとは、認知症の人のみが利用できる施設を指します。グループホームでは脳への刺激を促す目的で、ユニット(数人から9人程度のグループ)を組み、自宅に近い環境の中で共同生活を行います。入居者の年齢は、65歳以上です。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームとは、要介護度3以上の人が入居可能な介護施設をいいます。
費用が安いながらも、手厚い介護を受けられるという特長があります。そのため、人気の高い施設でもあり、施設によっては一年程入居待ちをしなければならないところもあります。入居者の年齢は、65歳以上です。
介護老人保健施設
介護老人保健施設とは老健とも呼ばれる施設で、退院後のリハビリを必要とする高齢者が数カ月程度滞在する施設を指します。
原則、リハビリ終了後には在宅復帰することが条件となっているため、他の介護施設と比較すると、入所は比較的短期間です。
入居者の年齢は、65歳以上となっています。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、医療ケアが必要な要介護者向けの施設で、看取りやターミナルケアにも対応しています。入居者一人ひとりの居室がパーティションで区切られているだけの場合もあるため、プライバシーを重視する場合には注意しましょう。
掃除や洗濯、レクリエーションなどの生活支援サービスはあまり提供されません。入居者の年齢は、65歳以上となります。
老人ホームの入居条件
老人ホームに入居するための条件には、5つの条件があります。
入居の相談をすると必ず聞かれる内容のため、あらかじめ確認しておきましょう。
要介護度、認知症度
老人ホームに入居する際には、要介護度の条件および認知症度の基準を確認しなければなりません。
要介護度の条件は、「自立(自分で身の回りのことができる)」「要支援(身の回りのことや動作の一部に介助が必要)」「要介護(動作や身の回り介助を要する他、思考力や判断力の低下がみられる)」の3つに分類され、要介護の場合は介助の度合いに応じてさらに5段階に分けられます。
なお要介護5ではほぼ寝たきりの状態となるため、入居できる施設が限られます。
また、認知症も症状によっては入居を断られるところもありますので、事前に確認をしておかなければなりません。
医療への依存度
医療措置を要する場合には、医療体制が整っている施設に入居しなければなりません。
入居後に医療が必要となったとき、医療体制の整っていない施設では退去を求められる場合もあります。医療依存度が高めな場合には、医師が常勤する介護療養型医療施設や医療機関と提携している施設の利用を検討しましょう。
資産を含めた収入状況
施設への入居を決める前には収入や資産を確認し、支払いが滞りなくできる状態であるかを確認しましょう。
ただし、生活保護を受給中の人でも入居できる施設はあるため、生活保護を受給している人で入居を検討している場合は、事前に確認しておくことをおすすめします。
身元保証人や身元引受人の有無
治療方針などの意思決定や、生活上の手続きを代行して行う身元保証人・身元引受人は、ほとんどの施設で必要とされています。
もし、身元保証人・身元引受人となる身内がいない場合には、代行サービスの利用も検討することになるでしょう。
入居時の年齢
基本的に多くの施設では、入居者の年齢制限を設けています。
上述のとおり、ほとんどの施設で60歳以上もしくは65歳以上が入居の対象となっています。
ただし年齢が対象以下であっても、40歳以上のうち介護保険の第2号被保険の対象者で特定疾病認定を受けている場合など、施設への入居を受け入れている例もあります。
老人ホーム入居の際は入居条件の確認を
老人ホームにはさまざまな種類があり、それぞれ特長が異なります。
また、各施設にはそれぞれ入居条件が設けられています。
要介護度や認知症度、医療への依存度、資産を含めた収入状況、身元保証人・身元引受人の有無、入居時の年齢などが問われることが多いです。入居を希望する施設があれば、あらかじめ入居条件も確認しておきましょう。